マイケル・ジョーダンのリーダーシップに学ぶ企業経営

マイケル・ジョーダンのリーダーシップに学ぶ企業経営

年末なので、仕事以外のトピックをひとつ。
マイケル・ジョーダンのリーダーシップに学ぶ企業経営。
スタートアップ経営やプロダクトリリースに関して留意していることです。


マイケル・ジョーダン(1963-)は史上最高のバスケットボール選手のひとり。
新人時代はひとりの優秀なスコアラーであったが、徐々にチームリーダーとして成長し、チームを計6回の優勝に導いた。


優勝を重ねたジョーダンと、同時代の優勝できなかった幾多のスーパープレイヤーを分けたのは何だったのか。
ジョーダンの軌跡から得られる大きな示唆は以下の3つ。

① スーパールーキーひとりで、チームは上位50%に浮上する。


② スーパープレイヤーひとりではトップになれない。
チームワークを重視するリーダーとなって初めて優勝に手が届く。


③ 優れたチームリーダーがコート外でもリーダーシップを発揮することで、長期的な覇権が獲得できる。

Michae Jordan Dunk
※ Wikipediaより引用

マイケル・ジェフリー・ジョーダン(Michael Jeffrey Jordan, 1963年2月17日 – )は、アメリカ合衆国の元バスケットボール選手。NBAのシカゴ・ブルズ、ワシントン・ウィザーズでプレーした。その実績からバスケットボールの神様とも評される。
15年間に亘る選手生活で得点王10回、年間最多得点11回、平均得点は30.12点でNBA歴代1位、通算得点は32,292点で歴代4位。1990年代にシカゴ・ブルズを6度の優勝に導き、5度の年間MVP、6度のNBAファイナルMVP受賞。また、1984年のロサンゼルスオリンピックと、1992年のバルセロナオリンピック(ドリームチーム)においてアメリカ代表の一員として2度にわたり金メダルを獲得した。現役時代の背番号23はシカゴ・ブルズ、マイアミ・ヒート、ノースカロライナ大学の永久欠番。1996年、NBA50周年を記念した50人の偉大な選手の一人に選出。2009年にはバスケットボール殿堂入りした。
現役引退後、2010年にシャーロット・ボブキャッツを買収し、現在は実業家として同チームの筆頭オーナーを勤めている。

Wikipedia “マイケル・ジョーダン” より

① スーパールーキーひとりで、チームは上位50%に浮上する。

Michael Jordan Tongue
バスケットボールはコート上に5人、NBAの場合、ベンチも含めて選手は15人しかいない。(当時は14人だったかも。)
野球の9人、サッカーの11人と比べてもひとりにかかる比重が大きく、バスケットボールはたったひとりの選手でチームががらっと変わるスポーツだ。
移籍選手かルーキー(新人)に関わらず優れた選手ひとりでチームが大きく変わるケースがあり、スーパールーキーであったジョーダンもひとりでゲームを変えた。
マイケル・ジョーダン(シカゴ・ブルズ)、シャック(オーランド・マジック)、チャールズ・バークリー(フィニックス・サンズ)、ペニー・ハーダウェイ(オーランド・マジック)、ティム・ダンカン(デイヴィッド・ロビンソンもいたけど)、アレン・アイバーソン(フィラデルフィア・76sers)など、こういったケースは枚挙に暇がない。


NBAではレギュラーシーズン終了後、上位50%程度のチームが進出できるプレイオフがある。
ジョーダンが入る前のシカゴ・ブルズは3シーズン連続でプレイオフを逃していたが、ジョーダンはシーズンを通してリーグ3位となる平均28.2得点をあげ新人王を獲得。
チームを牽引し、4シーズン振りのプレイオフに導いた。
(なおブルズのあるシカゴは全米4位の大都市であり、チームの躍進に観客も急増。
NIKEから発売されたシューズ、エア・ジョーダンがバカ売れ、遠征先でも観客がいっぱいになるというジョーダンブームが起こった。)


Lesson Learned:

スーパールーキーひとりで、チームの名は頭角を表す。

たったひとりで弱小チームは躍進する。
このフェーズではシーズン中のコート上での采配ではなく、シーズン前のドラフトやトレードで将来性や実力のあるタレントをピックすることが重要。



② スーパープレイヤーひとりではトップになれない。
チームワークを重視するリーダーとなって初めて優勝に手が届く。

Michael Jordan and Phil Jackson
ジョーダンは3年目の’86-’87シーズンに平均37.1点という驚異的な数字で得点王に輝いている。
そしてこの年から初回の引退の92-93シーズンまで、7年連続してNBAの得点王に輝いている。
ただしこの期間の平均得点は37.1点から32.5点まで徐々に落ちていった。


89年にフィル・ジャクソンが監督に就任するまでのジョーダンは文字通りチームの稼ぎ頭であったが、プレイオフでは3年連続でデトロイト・ピストンズの前に敗退していた。
ディフェンスに定評のあったピストンズは「ジョーダンルール」と呼ばれるジョーダンひとりを徹底的にマークする方法でシカゴ・ブルズをプレイオフで退け、88-89、89-90シーズンに2年連続でNBAチャンピオンとなっている。
この時期のジョーダンはフィル・ジャクソンの指示に従い、徐々に成長する若手にもボールを回すチームプレイを覚え、自分の得点もわざと落としていった。
初めて得点王になった’86-’87シーズンには、一試合あたりの平均シュート数が27.8回、平均得点が37.1点であったのに対し、初めて優勝した’90-’91シーズンは、平均シュート数が22.7回、平均得点が30.1点であった。


フィル・ジャクソンが採用したボールを三角形に回す独特のオフェンススタイルは「トライアングル・オフェンス」と呼ばれた。このオフェンススタイルによってシカゴ・ブルズはジョーダン以外のプレーヤーでもスコア出来る厚みのあるなチームへと変貌し、この間にスコッティ・ピッペン、ビル・カートライト、ホーレス・グラント、ジョン・パクソンらが才能を開花させていった。
ジョーダンは、孤高のスコアラー(ポイントゲッター)から、コート上でのチームリーダーへとプレースタイルを変え、シカゴ・ブルズをNBA史上初めての3連覇へ導いた。


敢えていうなら、この20年内に優勝したチームで、オールスター級の選手が2人以上いないチームは皆無である。
90年代半ばからはビッグネームを3人集める(あるいはビッグネームに育てる)ことで、やっと優勝戦線に加われるという形になってきている。
(更にいうなら、初期フェーズにダメな数人でチームワークを大切に頑張っても効果は出ない。優れたひとりの邪魔をするダメなプレーヤーも要らない。優れたひとりに完全に任せたほうがチームの勝ち星は増える。)


Lesson Learned:

スーパープレイヤーひとりではトップになれない。チームワークを重視するリーダーとなって初めて優勝に手が届く。

中堅チームからトップチームになるには、ジョーダンでさえひとりでは出来ない。
むしろひとりしかいないのが決定的な弱点となってしまう。
個人プレーを控え、チームをまとめるリーダーとなって、チームとして強くなることで初めてトップへと手が届くのだ。
リーダーシップとは個人のプレーで証明するものではなく、チームプレーで勝つことで証明される。



③ 優れたチームリーダーがコート外でもリーダーシップを発揮することで、長期的な覇権が獲得できる。

Michael Jordan In Suit
NBAではサラリーキャップという制度があり、チームの総年俸の上限が決まっている。
80年代後半はスター選手の年俸の高騰が始まった時期であり、一定の条件を満たした選手についてはサラリーキャップを超えて多額のサラリーを受け取るケースが出てきた。
シカゴ・ブルズは91年から93年まで3年連続で優勝、3年ともファイナルMVP獲得している名実ともにNo.1プレイヤーであったが、その間のジョーダンの年俸は以下のとおり。


・91年・・・$2,500,000でリーグ8位。1位のパトリック・ユーイング(NY)は$4,250,000。
・92年・・・$3,250,000でリーグ5位。1位のラリー・バード(BOS)は$7,070,000。
・92年・・・$4,000,000でリーグ2位。1位のデイヴィッド・ロビンソン(SA)は$5,720,000。


当時は(今もであるが)史上最高額で契約することで自身のステータスを証明するベテランやルーキーもいた。
ジョーダンはルーキーイヤーからNIKEのエア・ジョーダンを始めとするスポンサー収入が莫大で金銭が必要なかったという事情ももあるが、チームからの給料で自分の価値を証明するという志向がなかった。
コート外でもチームの勝利を優先し、当時のパトリック・ユーイングなどのベテランや、後のグレン・ロビンソンなどのルーキーが競った高額契約競争には乗らなかった。
自分のサラリーを押さえ、他プレイヤーや裏方に回すことで確固たるチームを構築することが出来た。


Lesson Learned:

優れたチームリーダーがコート外でもリーダーシップを発揮することで、長期的な覇権が獲得できる。

名声はプレーの結果得るものであり、金で得るものではない。
自分が得られたかも知れないお金を、他の有能なプレイヤーを獲得することに回すことで、チームの栄華は続く。
優れたリーダーは常にチームプレイヤーであり、コート上でもコート外でもリーダーシップを発揮することが出来る。





※ 参考
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9E%E3%82%A4%E3%82%B1%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%82%B8%E3%83%A7%E3%83%BC%E3%83%80%E3%83%B3
http://en.wikipedia.org/wiki/Michael_Jordan
http://ja.wikipedia.org/wiki/1984-1985%E3%82%B7%E3%83%BC%E3%82%BA%E3%83%B3%E3%81%AENBA
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B7%E3%82%AB%E3%82%B4%E3%83%BB%E3%83%96%E3%83%AB%E3%82%BA
http://ja.wikipedia.org/wiki/NBA%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%8A%E3%83%AB
http://www.monespo.com/2011/03/blog-post_06.html
http://www.basketball-reference.com/players/j/jordami01.html
http://www.eskimo.com/~pbender/misc/salaries86.txt
http://www.eskimo.com/~pbender/misc/salaries88.txt
http://www.eskimo.com/~pbender/misc/salaries89.txt
http://www.eskimo.com/~pbender/misc/salaries91.txt
http://www.eskimo.com/~pbender/misc/salaries92.txt
http://www.eskimo.com/~pbender/misc/salaries93.txt