震災から3年経って思い出す社会を変えるサービス
今年の3/11で東日本大震災から3年。
大井町にあったブリスウェルの事務所には当日僕ひとりで、本棚や社内サーバーのラックが倒れたりしましたが、命に関わることはありませんでした。
震災直後に携帯電話が繋がりにくいなか、twitterなどのソーシャルメディアが注目されたり多くのサービスが立ち上がったり、長期的にはBCP(Business Continuity Planning:事業継続計画)が注目されたりと、ICT業界でも多くの変化が起こりました。
震災を契機に注目された、新たに開発された社会性の高いサービス、おもしろサービスをたくさん思い出しました。
サービスの数だけでも、20-30個くらい思い出せます。
その中で、(厳密にはウェブサービスではなく出来事なものもありますが、)特に心に残っているものを上げてみます。
■ 安否情報関連
震災以前はそもそも安否情報をネットで確認するという感覚はなかったです。(今も平時はありません。)
自治体などのサイトの多くがダウンしてしまう中、Googleのサービスの安定感は際立っていた記憶があります。
・Google クライシス レスポンス
http://www.google.org/intl/ja/crisisresponse/index.html
Googleの危機管理・危機対応関連のサービスをまとめたサービス・サイト。
現在では当時みたUIと大きく違うような気がします。
・Google パーソンファインダー
http://google.org/personfinder/japan/
上記クライシスレスポンスの一部サービスという位置づけのようです。
当時のGoogleの対応は以下に詳細があります。
http://www.google.org/crisisresponse/kiroku311/chapter_06.html
クライシスレスポンス、パーソンファインダーは元々あったようですが、僕が知ったのは震災がきっかけでした。
Googleの震災直後のチームビルディング、サービス開始、日本語対応、情報収集、ボランディアを巻き込む仕組み、使用された豊富なバックエンドリソース・テクノロジーなどが、当時のスピード感と共に思い出されます。
Googleからは渋滞情報や支援物資の情報をまとめたサイトなどたくさん出ていたと記憶しています。
これらが実際に人命救助に貢献できたのかは分かりません。
ただネットサービスが緊急時に信頼できるインフラとしてワークするという事例となったと思います。
■ 義援金・寄付関連
たくさん義援金・寄付のサービスが立ち上がりました。
震災を契機にふるさと納税をはじめたり、毎月定額寄付をはじめたりした人も多いと思います。
クラウドファンディングも盛り上がったのはこの頃からと言われていますけど、本当でしょうか。
・Yahoo! Japan 寄付金2倍
http://donation.yahoo.co.jp/detail/1630001/
「個人からの義援金・寄付に企業が同額を追加して、個人の善意が2倍になって被災地に送られる仕組み」を目にしたのは震災がきっかけでした。
現金ではなくてウェブサービスの仮想通貨で払えるというのも多かったです。
・ソフトバンク 継続的に寄付金2倍
ソフトバンク、毎月20円を震災復興のために寄付する「チャリティホワイト」
http://www.itmedia.co.jp/mobile/articles/1106/30/news086.html
先日ソフトバンクで新たにiPhoneを契約したのですが、このプランはデフォルトで付いていませんでした。入りますかとわざわざ聞かれるんですね。
金額も大きくないし、いくつかの(多くの人にとって不要な)オプションサービスに入らなければいけないケースも有ることを考えれば、これデフォルトで付いててもいいのにと思いました。
■ 原発関連
原発関連では、誤ったものも含めて非常に多くの情報が国内外からもたらされました。
原子力発電や放射性物質について、単語、単位、歴史的背景、組織に至るまで誰もが短期間で詳しくなったと思います。
今調べてみたら当時もっとも良く見ていたサービスはなくなっていましたので、記憶に残っている大前研一氏の動画を上げてみます。
・東日本巨大地震 福島原発半径20km以内の住民に避難指示(3月13日収録)
・地震発生から1週間 福島原発事故の現状と今後(大前研一ライブ579)
原発やエネルギー分野の専門家がネット上でたくさんの情報をどんどん発信する、受け手一人ひとりが(キュレーターたちの力を借りて)リテラシーを短期間で獲得するというサイクルが起こったと記憶しています。
社会を変えるサービスの話に全然入れないけど、今日はここまで。