アグレッシ部

どんな産業にも、時代によってその最適地というものがある。
当初は優位性の源泉はコストだったのが、知識が集積し習熟曲線の閾値を超えると品質で勝負できる。更に進むとオリジナリティが価値を産む。


ベトナムから来ている若いエンジニアのみんなと働いていると、年齢の割りに職業スキルが高いことに驚かされる。
数年前フィリピンに居た頃も、大学・大学院を出たばかりのフィリピン採用のスタッフが、日本人の新卒など比較にならないほどスキルフルで、ただただ驚嘆した。


理系の、つまりインダストリアル・エンジニアリングやコンピュータ・サイエンスの学部・大学院大学では、当たり前だが、毎日コンピュータで分析や構築をやっているわけで、場合によっては企業から依頼を受けて「仕事」をしている。
実務スキルや論理的思考を身につけても、若手特有の無垢さやアグレッシブさを失うわけではない。


恥ずかしながら日本の文系の学部でアカデミックなことや実務的なことをあまりせず過ごした僕は、実務的なスキルは何も無かった。
それどころか、フィリピンの彼らに比べて数年の実務アドバンテッジがあるはずの当時の僕が彼らより良く出来ることといえば、日本語での東京オフィスとのコミュニケーションくらいだった。(無垢さやアグレッシブさも負けて無かったと思うが。)


アウトソーシングをしていると、二言目には「で、幾らですか??」と聞かれることも多々ある。
ただ現実にはコストが安いからと言うこと以外にも、仕事が海外に流れていく理由があると思う。


ソフトウェア開発では近い将来、あるいは既に、ソフトウェアのクオリティ自体がその理由になると思う。