不格好経営

不格好経営

発売と同時に読んだDeNA南場智子さんの「不格好経営―チームDeNAの挑戦」。
発売時からかなりたくさんの書評が出ていたし、またご本人の記事・インタビュー・講演と多くの関連情報も出ているので、今更感があるのだけど・・・感動を覚えているうちに感想。


南場さんのブログは僕の周辺で多くの人が読んでいたし、大学生向けの講演や決算発表の際のプレゼンテーションに心を動かされたという声も今まで何度か聞いた。
(狭い業界内だけかもしれないが)直接、間接に多くの若者に影響を与え続けていて、とても素敵なオトナだと思っている。



この本でのLesson Learnedを2点。


1. 軽快な文章を生むパーソナリティと、重苦しい経営課題に向かう真摯な姿勢
南場さんの他の文章、スピーチと同様、この本の文章も非常に軽快。
文面の上では、お茶目な性格でさらりと流して、自分を下げて笑いを取って、という形でストーリーは進む。
登場人物と文章自体の稀に見る軽快さは、まさに彼女のパーソナリティのなせる業だと思う。
一方、出てくる経営上の課題は当然重苦しいものばかりで、誰もが自分の仕事の一場面と重ね合わせながらヒリヒリと読んだのだろう。
このパーソナリティとこの経営・課題に対する真摯な姿勢との両立が、DeNAや南場さんに多くのファンが出来た要因なんだろうなと想像しながら読んだ。
カッコよすぎて、タイトルは内容を反映していない。


2. 人材の重要性
一緒に働く人に対する要求、連帯感、あるいは愛のような感情が全編通して貫かれている。
(ご主人と愛犬への愛も随所に出てくるがここでは割愛。)
特に創業期に時間を共にした初期メンバーに対しての思いは、とても親近感を覚えるし、正直に文章に書けるところがうらやましい。
試練を一緒にくぐり抜けて来た同士に対する感情に心を打たれると同時に、そういった人材を選ぶ重要性、そういった人材に囲まれて慕われることの幸せを感じた。


平易な文章で読みやすく、若い人に薦めたい本がまた一冊増えた。