『マネーフォワード For BUSINESS』(β版)を触ってみた
マネーフォワードが個人・法人向けの会計機能、『マネーフォワード For BUSINESS』を追加したようだ。
マネーフォワードは僕がかなり好きなサービスなので、早速触ってみた。(ほんの少し。)
・確定申告・法人決算を楽にする新時代のクラウド会計ソフト『マネーフォワード For BUSINESS』(β版)
https://biz.moneyforward.com/
・そもそもマネーフォワードとは
元々、マネーフォワードはフリーミアムの個人向け金融関連口座管理サービス(アカウントアグリゲーション)で、2012年12月のリリースからずっと話題になっている。(法人向けでも使えるかもです。)
アプリランキングで常に上位いることや大型の資金調達などで連日メディアを賑わせているし、周りにもユーザーとしてのファンが多い。
マネーフォワード 家計簿・資産管理ツールの決定版
https://moneyforward.com/
・マネーフォワードの世界観・機能面・UI/UX
マネーフォワードでは個人の入出金、資産の状況がほぼすべて把握できる。また過去の推移から未来をフォーキャストするという世界観があり、家計簿管理・資産管理の精度の向上に加え、金融リタラシーの向上に大いに貢献してくれる。
銀行口座、証券会社口座、投資信託口座、クレジットカード、ポイントサービスなどの口座を予め紐付けておくと、日次で情報を取得してきて更新してくれる。有料会員であれば一括取得をトリガーすることもできる。
家計簿マニア以外は面倒でやらないだろうと思うが、手動でも入力できるようだ。
個人情報の扱いに関しても、(これを書いている時点では)個人を特定出来る情報を収集しない仕組みになっているようだ。気になる人は自分の金融関連口座の一部だけを紐付けて使うのが良いだろう。
金融機関以外でも、Amazon.co.jpのアカウントや、モバイルSuicaも紐付けられるので、物品購買の大半がAmazon、モバイルSuicaという人にとっては、ほぼすべての自分のフロー、ストックをの詳細を把握できる。
僕はある特定の一部の口座しか紐付けていないが、紐付けている範囲に関しては、PCやスマートフォンから全体観や個別のトランザクションが手に取るように把握できる。
同時に、ウェブサービスとしてのUIも素晴らしい。
経営陣に金融のプロの方だけでなく、ITのプロの方たちもいるだけあって、見るべき指標とUI/UXとがあっていて、非常に洗練されていて気持ち良い。
対応していく金融機関、拡張していく機能、それらのスケジュール感が神の領域と言えるほど非の打ち所がない。
ウェブサービスは当初からすべての機能が揃っている必要はなくて、徐々に拡張・洗練されていくのが常だが、マネーフォワードに関してはこの成長していく様がスムーズで、(受益者としてだが)一緒に成長を体感する感覚も気持ち良い。
個人的には今まで使ってきた(金融サービス以外の分野も含めて)あらゆる個人向けウェブサービスの中でダントツNo.1。
・蛇足
実はブリスウェルの社内でも一時期、アカウントアグリゲーションサービスの話を出したことがあった。
アメリカで非常に大きくなった mint.com のようなサービスが日本でなかなか導入されず、既存のサービスは使い勝手の悪いものばかりだったからだ。
しかし、マネーフォワードが出てきて以降は、機能面、価格面、それにユーザ体験も含めてこれほどのサービスがあるのであれば、利用者の観点からはもう他のサービスは要らないのではないかと思っている。一度使ってしまうとスイッチするのも面倒なので、今は類似のサービスも多々あるが、ユーザーは他に乗り換えないと思う。
もちろん、他に素晴らしいサービスが出てくることも期待している。
・今回の『マネーフォワード For BUSINESS』(β版)
今回、『マネーフォワード For BUSINESS』(β版)については、パッと見ただけではあるが、入出金レコードからの自動仕訳、グラフィカルなレポート、帳簿作成、請求書発行など、スモールビジネスには十分な機能が揃っているようだ。
現時点では完璧でないかもしれないが、近いうちに、確定申告に必要な情報はすべてここに収まりそうだ。
そのうちレポートが拡張されてBIのような機能もつくかもしれない。(当面はおそらくデータエクスポート機能で賄うのだと思う。)
機能面での説明はこちらのTechCrunchJapanの記事に詳しい。
http://jp.techcrunch.com/2013/11/29/money_forward_for_business/
こういったものが整備されてくれば、個人事業主やSOHOの記帳代行や税務業務も不要になるので、税理士さんたちはもっと高度なアドバイザリーに専念できる。
もう少し触ってみて、慣れてみたい。
日本は人口・労働人口が減っていく中で、非常に大きな個人金融資産を抱えている。
高齢者から若年層への資産の移転が始まっているし、今後はもっと大きな潮流となっていくだろう。
ネット上での安価な個人の金融資産管理・金融リタラシーの向上は、国全体に取って非常に有益なことで、時代が必要としているビジネスだと思う。